2018年7月28日土曜日

道路に出て植木を切っているといろんな人に話しかけられる話


道路に出て植木を切っていると、知らない人から話しかけられることが、結構ある。
昨日は梅の枝の、びゅーんと長く伸びてしまったのを切っていると、
「こんにちは。」
これは、二年くらい前に初めて話しかけてきた女性で、今では少し顔見知りだ。植木を切っている時だけ話す。...
「便利なものがあるんですね」
高枝バサミのことだ。
「そう、でも結構重くてね、扱うのが大変で」
興味深そうにじっと見ているので、
「持ってみますか?」
渡すと、
「あら、本当だ、結構重い」
「ね、長く延ばすと重くなって、結構大変。だから今度思い切って枝切っちゃおうかなと思って」
「そうね、涼しくなったら」
「この辺で」と、今の高さの半分くらいを指して、「切っちゃおうかと思ってるんですよ」
「また、伸びるのよね梅は」
「やっぱりそうですか」
「すみませんね、続けて下さい、じゃあまた」
毎日できる限り歩くことにしている、ご主人が亡くなって、話す人もいなくて寂しいので散歩の途中でぽつぽつ、こんな感じで話す、と、最初に会った時言っていた女性だ。孫が発表会で、ドビュッシーの「月の光」を弾く、と聞いたこともある。
しばらくして、高く伸びた枝を切ろうとしていて、高枝バサミの先端でうまく挟めずにいると、
「なかなか命中しないわね」
振り向くと、今まで会ったことのない女性が立っている。70歳くらいだろうか。黒い犬と一緒だ。
「結構重さがあるんですよね。うまく挟めなくて」
「頼んでも、やってくれないのよね」
この辺りでは、昔からの腕のいい植木屋さんは新しいお客さんを受け付けていない。やっぱり、この女性も、植木屋さん探しに困っているんだな。
「そう、頼んでも、やってくれないんですよね」
「やってくれないのよ。そこのね、突き当たりが」
と、指で指して、
「長男の家なの。それで、頼んでるんだけど、時間ないって。やってくれないの。しょうがないから、自分でやらないといけないんだけど、大変で」
笑って、ふっと角度を変えて、長男の家とは反対の方向に、犬と一緒に歩いていった。
やっと歩けるようになったくらいの、小さな子の両親と話したこともある。
病気の垣根に、玄米黒酢の薄め液を撒いているところに歩いてきたので、
「すみません、これ、薬ではないので、お酢なので、心配ないです」
小さな子供を連れているから心配かなと思って言うと、
「あ、大丈夫です。お酢の匂いします」
二人で笑って言う。とてもセンスのよい着こなしをした、若いカップル。ファッション雑誌から、抜け出してきたよう。
「これね、大丈夫だからね」
手を引かれた子供にも話しかけると、私の方にどんどん近づいてくる。よちよち歩き。
ちょうど鋏を取りに中に入るところで、門の中に入ろうとすると、一緒に入ってきそうになって、
「あらあら」
お母さんがふわっと抱き上げた。
お父さんがすぐ横に寄り添って、二人の笑顔が眩しいくらいだった。

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